Granite採択学生インタビュー

Materials Science

Granite 物質創成科学領域

物性情報物理学研究室 博士課程2年Sun Zexuさん

あなたの研究テーマについて教えてください。What is your research theme?

私の研究は「PEHに基づいた拡散モデルからの原子構造再生」です。
PEHとはphotoelectron holography(光電子ホログラフィー)という技術で、世界初のシングルビームで物質の原子レベル構造を解析する技術です。しかし、ドーパントの光電子ホログラフィーにはデータが重く、解析が複雑という問題があります。これを改善するため、私は人工知能技術を導入することを提案しています。特に、AIモデルである拡散モデルを用いて、光電子ホログラフィーのデータから原子構造をより迅速かつ正確に再現する方法を開発しています。

この研究により、原子構造の詳細な理解が進み、新しい材料の開発や既存材料の性能向上に直接的に寄与することが期待されています。

なぜ博士課程へ進学しましたか?Why did you decide to pursue a doctoral program?

修士課程での研究を通じて、自身の研究分野に対する興味がさらに深まり、未解決の課題や新たな展開の可能性に強く惹かれたことが大きな要因です。修士での研究だけでは十分に取り組めない、より高度で長期的なテーマを追究するために博士課程への進学を決意しました。

Graniteの支援で役立っている・助かっていることを教えてください。Please share what has been helpful or beneficial through the support provided by Granite.

まず、財政的な支援により、研究に必要な機材やソフトウェアの導入、学会参加、語学研修などに余裕を持って取り組むことができました。これにより、研究の幅が広がり、より質の高い成果を生み出すことができています。

他にも、Graniteの支援を通じて、他の研究者や業界関係者とのネットワークを築く機会を得られました。例えば、学会やワークショップでの発表機会、専門家とのディスカッションを通じて、新しい視点や知見を得ることができ、研究をより発展させることができました。

将来の目標、もしくはあなたが胸に秘めた野望があればぜひ教えてください。Please share your future goals or any ambitions you hold close to your heart.

私の目指す道は、科学技術の発展とイノベーション創出を牽引できる博士人材として、物理学と人工知能(AI)の融合を通じて新たな価値を生み出すことです。特に、光電子ホログラフィーとAI技術の統合がもたらす可能性に強い関心を持ち、これを応用した自律型データ解析システムの開発を推進したいと考えています。

博士課程進学を考えている人へのメッセージをください。Please share a message for those considering pursuing a doctoral program.

博士課程への進学は、単なる学びの延長ではなく、自ら新たな知を創造する旅です。この道を選ぶことは、未知の課題に挑み、深く探究し、自分の研究が未来に貢献できる可能性を秘めていることを意味します。そのため、「なぜ博士課程に進むのか?」を明確に持つことがとても重要です。

博士課程は決して楽な道ではありません。途中で壁にぶつかることもありますし、思うように成果が出ないこともあります。しかし、その過程で培われる問題解決力、独創性、粘り強さは、研究の世界だけでなく、社会に出ても大きな強みになります。