あなたの研究テーマについて教えてください。What is your research theme?

機械翻訳の分野における「同時音声翻訳」という技術についての研究をしています。この技術で、Google翻訳やDeepLのように文章を入力して翻訳するのではなく、話した言葉がそのまま翻訳される仕組みを作ることを目指しています。ただ、言語差の考慮が非常に難しく、例えば英語で文法がS・V・Oなのに日本語だとS・O・Vになったり主語が曖昧だったりするといった考慮すべき点が多くあります。
この研究を通じて、工学として同時音声翻訳の実用への貢献を目指しつつも、同時通訳という手法が極めて高い専門性と技術力を必要とするリスペクトすべきものであることも伝えていければと考えています。
なぜ博士課程へ進学しましたか?Why did you decide to pursue a doctoral program?

私はもともと文系の学部にいましたが、機械翻訳に興味を持ち、修士課程からこの分野に取り組み始めました。しかし修士の2年間では研究を十分に深めることができないと考えており、修士課程に入る前から博士課程に進学することを意識していました。
もちろん、一度会社に入って、また博士号を取りたいときに戻って来るという選択肢もあったかもしれませんが、10年スパンで考えるとおそらく博士号を取りたいと思うことになり、そうなったときに細切れで2年・3年とわけて進めるよりは一気にまとめて進めた方がやりやすそうだと個人的に考えました。
Graniteの支援で役立っている・助かっていることを教えてください。Please share what has been helpful or beneficial through the support provided by Granite.
博士課程の研究には多くの時間と費用がかかりますが、グラナイトの支援のおかげで、生活費の心配をせずに研究に集中できています。
また、生活資金とは別枠の支援金もあり、最近、この円安の状況下でアメリカのマイアミでの国際学会に参加する機会があり、この費用を補填できたことには本当にありがたさを感じました。
将来の目標、もしくはあなたが胸に秘めた野望があればぜひ教えてください。Please share your future goals or any ambitions you hold close to your heart.
とりあえずは博士課程の3年間でしっかりと研究成果を出し、博士号を取得することです。そのための要件を満たすことが短期的な目標です。
博士課程を修了した後は大学に残るというよりは産業界へ行くことを考えていますが、先輩からは今の研究テーマを続けられる保証はないという話も聞いています。ですので、残りの2年間くらいは自分の研究テーマで様々なことをやっていくことを考えています。
博士課程進学を考えている人へのメッセージをください。Please share a message for those considering pursuing a doctoral program.

博士課程のことを選択肢として考えている時点で多分気になっていると思うので、思い切って挑戦してみることを個人的にはおすすめします。全く考えていない人はおそらく見向きもしないです。とりあえず進んでみて、合わなかったら途中でやめて働き出してもいいと思います。
もちろん、お金の心配はあるかもしれませんが、Graniteみたいな支援制度もありますし、最終的にはなんとかなると思います。