Granite採択学生インタビュー

Biological Science

Granite バイオサイエンス領域

微生物インタラクション研究室 博士課程2年髙橋 空良さん

あなたの研究テーマについて教えてください。What is your research theme?

私は、「酵母のアルコール発酵制御機構」をテーマに研究しています。 具体的には、酒造りに使用されている酵母をモデルに、アルコール発酵を制御する新たな因子やメカニズムを分子レベルで解明することを目指しています。

アルコール発酵は酵母がエネルギーを獲得するために重要な代謝経路である一方で、生成されたエタノールは高濃度だと酵母自身にとってもストレスになります。こういった制御メカニズムへの理解を深めることが、応用微生物学や醸造学、代謝工学といった分野の発展に繋がっていきます。

また、私は農学系出身なので応用にも比重を置きたいと思っています。
例えば酵母の発酵力を上げることでバイオエタノールなどの生産性を上げたり、逆に発酵力を下げることで、酒類業界で近年注目されている低アルコール飲料の開発に役立てるなど、社会への需要に合わせた研究に発展できると考えています。

なぜ博士課程へ進学しましたか?Why did you decide to pursue a doctoral program?

研究者として大学教員になりたいという目標があり、そのためには博士号の取得が必須だったからです。
進学を決める際には、経済的な不安がありましたが、NAISTで提供される経済的支援が決断の大きな後押しとなりました。

また、修士課程で筆頭論文をいくつか発表したことが自信となり、自分が博士課程でも通用するのではないかと思えたのも理由の一つです。

Graniteの支援で役立っている・助かっていることを教えてください。Please share what has been helpful or beneficial through the support provided by Granite.

まずは奨励費による生活費の補助があり、今年から学費免除もしていただいているので生活は十分なレベルで安定しています。
あとは研究費の支援も大きな利点で、必要な機器の購入や、外注しないとできないような実験も自分の研究費でかなり賄うことができ、あまり不自由することなく自由に研究を進めることができました。

他にも分野融合のプログラムなので、例えば情報科学領域など他分野の方と交流する機会を通じて、異なる視点から研究を考える力が養われました。
他にもアントレプレナーシップ教育や海外研修(オーストラリアや台湾)、キャリア開発のセミナーなどを通じて、どういったことを学位取得までに身に付けていくべきか知ることができたり、学生から研究費を獲得していく気概など、今後のキャリアを築いていく上で必要なことを意識することができた(半ば強制的に意識させられる?)のも有益でした。

将来の目標、もしくはあなたが胸に秘めた野望があればぜひ教えてください。Please share your future goals or any ambitions you hold close to your heart.

まずはアカデミアの研究者になるのが目標です。
そして将来的には、大学教員として自分の研究室を持ち、基礎と応用との垣根を超えて研究をしていきたいと考えています。基礎はもちろん重要ですが、自己満足で終わってしまうこともあります。

一方で、応用だけでその場限りの研究になってしまう例も見ることもあり、長期的に人の役に立つ研究をしていきたいです。

博士課程進学を考えている人へのメッセージをください。Please share a message for those considering pursuing a doctoral program.

夢を持つことは大前提で大事ですが、夢だけだと生活が成り立たなくなってしまうこともあります。そうならないよう、逆算的に、計画性を持って物事を進めていくことが必要だと考えています。

次に、やはり博士課程となると自立して研究をしていくことになるので主体性も重要です。ただやらされている研究を続けたり、言われたことを鵜呑みにしたりするのではなく、自分で考えて、何を明らかにしたいのか・何に興味を持っているのかを主張できるようにしましょう。
もちろん、わがままにならずに先生の意向との折り合いをつけていくことも大切です。