Granite採択学生インタビュー

Biological Science

Granite バイオサイエンス領域

分子免疫制御研究室 博士課程2年廣木 秀哉さん

あなたの研究テーマについて教えてください。What is your research theme?

私の研究テーマは「炎症応答制御に関与する新規環状RNAの同定と機能解析」です。
環状RNAは機能が明らかになっていないノンコーディングRNAの一種で、炎症応答においてどのように働いているのか、その詳細なメカニズムを解明することを目的としています。

私が特に着目しているのは「IL-6(インターロイキン-6)」と呼ばれるタンパク質で、過剰生成されると敗血症や自己免疫疾患の関節リウマチなどの発症に繋がってしまいます。しかしIL-6と環状RNAの関係についてはまだ解明されておらず、これを明らかにすることで、環状RNAをターゲットとした新たな作用機序を持つ医薬品の創出に貢献できるのではと考えています。

なぜ博士課程へ進学しましたか?Why did you decide to pursue a doctoral program?

家族や親戚が難病を患っていることもあり、昔から製薬業界に興味がありました。つらい思いをしている方々の健康に貢献したいという強い気持ちがあり、大学・大学院はいずれも免疫学の研究を進めてきました。

また、様々な先生方に進路について相談したところ、多くの先生からこれからの製薬業界には博士号が必須であるとの助言を受けており、現在の指導教官の先生からも、博士号の重要性や将来性について説明を受けたことで進学を決めました。

Graniteの支援で役立っている・助かっていることを教えてください。Please share what has been helpful or beneficial through the support provided by Granite.

進学にあたり、学費を払い続けながら生活費も賄う必要があるという懸念はありましたが、Graniteプログラムで授業料の全額免除に加え、生活費の支給も受けており、親からの援助を受けることなく研究に専念できています。
また、キャリア支援も手厚く、キャリア支援室の先生や連携している株式会社アカリクのスタッフの方に多大なるサポートをいただいて、無事に製薬業界の企業からの内定を得ることができました。

将来の目標、もしくはあなたが胸に秘めた野望があればぜひ教えてください。Please share your future goals or any ambitions you hold close to your heart.

製薬業界で研究職として働くことになるので、自分の手で新薬を創出し、それを世界中の患者さんに1日でも早く届けることが私にとっての1番のミッションであると考えています。

博士課程進学を考えている人へのメッセージをください。Please share a message for those considering pursuing a doctoral program.

博士課程では、自分で研究を考えて自身で実行していくために必要な力が養われることになり、これが企業から博士課程の学生に求められている点であると考えています。

その一方で、博士課程は簡単ではありません。生命科学分野の研究はとても困難な場面に直面することも多く、しかもそれを強いられるわけではなく、自身で成果を出すために選ぶ必要も出てきます。周りの多くの人が既に働いている中で、自分は厳しい環境に身を投じることに対してどのように自分のモチベーションを保つことができるのかについても、進学前に考えるべき点です。

そのためにも修士課程の間に自分をとことん追い込むことが大事だと思います。たくさん実験をすると失敗も多く経験します。こういった失敗経験を今後の博士課程の数年間も乗り越えることができるのかを自ら考えてください。覚悟ができたら博士課程に進学すればいいですし、無理だと感じたら諦めるのも非常に大切な決断です。諦めて就職した場合でも、社会人の博士課程として挑戦はできますので、そういった決断をするためにも、今ある研究をとことん追い込んで実験することが重要です。