Granite採択学生インタビュー

Materials Science

Granite 物質創成科学領域

光量子物性研究室 博士課程1年西内 ジョエルさん

あなたの研究テーマについて教えてください。What is your research theme?

化学反応の加速・減速や最終的に得られる物質の選別は、これまで触媒の利用や温度・圧力の制御などで行われてきました。
一方で、化学反応を起こす物質を光と相互作用させると、化学反応の特性が変化することも知られています。その1つが、「振動強結合状態」を用いる方法です。

振動強結合状態とは、共振器のなかに存在する光の定在波と、分子の振動運動が強く相互作用している状態であり、この状態を形成している分子を用いて化学反応を起こすと、化学反応の速度や生成物の選択性、ポリマーのモルフォロジーが変化することが近年報告されています。
私たちの研究では、「振動強結合状態」が化学反応を変化させる原因を明らかにすることを目指しています。それには化学反応に影響を与える物理的な性質の変化を理解する必要があるため、超短パルスレーザー光を使ったフェムト秒からピコ秒のエネルギー緩和過程の調査などを行っています。

これらの研究を通して、振動強結合状態が化学反応を変化させる原因を解明できた場合、振動強結合状態を利用した化学反応のコントロールにつながることが期待されます。その結果、従来の手法では作れない新薬・新材料の開発や、高価・有毒な触媒の代替につながることが期待されます。

なぜ博士課程へ進学しましたか?Why did you decide to pursue a doctoral program?

量子力学に強い興味があり、それを応用する研究職に将来就きたいと考えています。その一方で、修士課程において研究経験を十分に積むことが難しく、博士課程を卒業した方が研究職に就ける可能性が高いと知ったため、博士課程への進学を決めました。

Graniteの支援で役立っている・助かっていることを教えてください。Please share what has been helpful or beneficial through the support provided by Granite.

Graniteの研究奨励費のおかげで、金銭的な不安を抱えることなく博士課程に進学することができました。また、Graniteコンテンツの1つである「グローバルビジョナリーブリッジ(GVB)」への参加を通して、変化が激しい今の時代に必要なトランスファラブルスキルを身につけることができました。

将来の目標、もしくはあなたが胸に秘めた野望があればぜひ教えてください。Please share your future goals or any ambitions you hold close to your heart.

特にありません。

博士課程進学を考えている人へのメッセージをください。Please share a message for those considering pursuing a doctoral program.

博士課程に関する情報は多くないので、博士課程の学生や先生方に相談することがおすすめです。