Granite採択学生インタビュー

Materials Science

Granite 物質創成科学領域

マテリアルズ・インフォマティクス研究室山本 富也さん

あなたの研究テーマについて教えてください。What is your research theme?

25-60-02

簡単にいうと「AIを使って新しい無機材料を作る」ことをテーマにしています。

今までは実験を重ねて作っていた新しい無機材料を、AIを使うことで無機材料の研究や開発がさらに加速されれば、という思いで研究を重ねています。

私は元々科学が好きで、小さな頃の夢は科学者になることでした。

実は学部時代は今とは違った研究をしていました。当時は医療工学の中でも、情報系の分野でプログラミングやデータ解析の研究に携わってたのですが、学部3年の時に量子力学に出会ったのです。

量子力学で触れた、ミクロの世界で起きる現象が「ゲキムズ」だったことに、強い好奇心を抱きました。

現実世界で説明できることが、小さな世界になると説明できない…予測できない現象が起きる理論に興味を持ったのです。

それがきっかけになって、今の世界に飛び込んだというわけです。

なぜ博士課程へ進学しましたか?Why did you decide to pursue a doctoral program?

25-60-03

博士後期課程への進学は、実はNAISTに入学したての頃は迷っていました。しかし、とことん悩んだり、周りの人に相談している間に2つの進学する理由に辿り着きました。

1つ目は自分の将来から逆算した理性的な理由です。 私にはこれからの研究や起業など、将来の夢がいくつかあります。その夢を叶えていくための順番を考えていった時に、今博士号をとっておくべきだと考えました。

2つ目は直感的な理由です。 正直いうと、進学を決めた理由はこちらの方が大きいと自分でも思います。 実は当時同じ研究室にいた社会人博士の方に、進学についての悩みを相談しました。

その時にいただいたアドバイスが「理由のない憧れは大切にした方がよい」というものでした。私自身、特に理由はなかったのですが、博士への憧れを抱いていたのです。

このアドバイスをいただいたおかげで、その夢に進んでみようと決意できました。

Graniteの支援で役立っている・助かっていることを教えてください。Please share what has been helpful or beneficial through the support provided by Granite.

一番に出てくるのは、金銭面ですね。 3年間学生を続けるには、それなりの費用がかかります。 Graniteは授業料の免除(※)のほか、毎月の生活費に充てられる補助、そして年間40万円の研究費補助があるので助かっています。

特に私は留学もしているので、これらの補助に加えて、留学を補助する制度(海外研修費)があることも魅力の一つです。 この制度を使って、博士課程1年目の約5ヶ月間、研究留学を行なっており、滞在費の一部を補うことができました Graniteがあったから、研究に打ち込める体制が取れているといっても過言ではありません。

今だから言えますが、実は修士よりも博士の方が金銭面的な補助は充実しています。

もし、博士進学について金銭的な面での不安を感じている方がいたとしたら、NAISTの場合はGraniteを含め複数の選択肢があるのでそれは杞憂ですとお伝えしてあげたいです。

ただし、自分で情報を得るアンテナを貼っておくことは大事です!Graniteやその他の奨学金制度などの情報は、自ら探しにいくようにしておいてください。

(※)授業料免除は、半額・全額の2パターンがあります

将来の目標、もしくはあなたが胸に秘めた野望があればぜひ教えてください。Please share your future goals or any ambitions you hold close to your heart.

私は「科学で日本から世の中に影響を与えたい」と思っています。

実は留学しているのも、日本が好きだからなんです。

留学すると文化の違いや海外のコネクションを得られます。それはもちろん自分にとってのメリットなのですが、それよりも海外にいることで、より日本を俯瞰することができると言うのが留学を決めた大きなきっかけです。

それが、今後日本から世界に影響を与えるために重要だと思っている、というのが本質の部分です。

博士課程進学を考えている人へのメッセージをください。Please share a message for those considering pursuing a doctoral program.

25-60-04

もし、博士進学に悩んでいる人がいたとしたら「悩むぐらいなら進学した方がいい」と言ってあげたいです。

3年という短い期間の中でも、内容は濃く充実した毎日になると思うので、心配することはありません。

博士後期課程の日常は、想像しているより自由なんです。留学だってできますし、有償のジョブ型研究インターンシップ制度もあります。

ただし1つ言えることは、何をするにも「自分で自分の人生をデザインする」ことが重要です。

修士よりも自由度が高い博士課程はその練習の場として最適だと思います。

博士進学の方だけとは限りませんが、留学について興味のある人にも、とりあえず飛び込んで欲しいと思っています。

研究、言語の壁や文化の違いなどで悩んでいる方も、心配しないで大丈夫です!

博士も留学も、実は行っちゃえばなんとかなるものなのです。まずは一歩踏み出してみてください!