Granite採択学生インタビュー

Materials Science

Granite 物質創成科学領域

機能有機化学研究室平川 美穂さん

あなたの研究テーマについて教えてください。What is your research theme?

26-23-01

私は現在、大きなπ(パイ)共役平面を持つ化合物を組み合わせ、巨大な立体構造を人工的に構築することで、これまでにない新たな機能を創出する研究を行っています。

ある分子が別の分子を認識して内部空間に取り込む現象を扱う「ホスト-ゲスト化学」の分野では、これまでも様々な分子が研究されてきました。その中でも私は「ペリレン」という芳香族化合物を2重に架橋した、チューブ状の巨大なホスト分子の合成に取り組んでいます。

目指しているのは、このチューブ状分子の内部空間に電子受容性分子(ゲスト分子)を取り込み、効率的な電荷移動錯体を形成することです。分子の組み合わせと空間デザインによって、まったく新しい機能や素材の可能性を開拓したいと考えています。

なぜ博士課程へ進学しましたか?Why did you decide to pursue a doctoral program?

26-23-02

私が博士課程への進学を決めた一番の理由は、「研究者としてのスキルや知識をさらに高め、自分に自信をつけたい」と考えたからです。

私はNAIST(奈良先端科学技術大学院大学)への進学を機に、学部時代とは異なる「有機合成」という新しい分野へ挑戦し始めました。当時から将来は企業の研究職に就きたいという目標を持っていたのですが、新分野に飛び込んでからわずか1年足らずで就職活動の時期を迎えてしまい、当時の自分の知識や実験スキルでは「プロの研究者としてやっていく自信」をまだ十分に持てずにいました。

妥協して就職するのではなく、博士課程という環境でもう一度じっくり研究経験を重ね、研究者としてブレない地力を身につけたいと感じたことが、進学を決めた大きな一歩でした。

Graniteの支援で役立っている・助かっていることを教えてください。Please share what has been helpful or beneficial through the support provided by Granite.

Graniteからの金銭的な支援は、生活面での不安を大きく軽減してくれており、日々安心して研究だけに集中できる環境を支えてくれています。

また、単なる資金援助にとどまらず、博士課程修了後のキャリアパスについて具体的に考えられるようなコンテンツやセミナーの案内が定期的に届く点も大きな魅力です。将来の選択肢を広げ、研究のその先にある自身のキャリア像を具体的に描くうえで、非常に役立っています。

将来の目標、もしくはあなたが胸に秘めた野望があればぜひ教えてください。Please share your future goals or any ambitions you hold close to your heart.

まずは研究活動を一つひとつ丁寧に積み重ね、無事に博士課程を修了させることが現在の大きな目標です。

そのうえで、単に学位を取得して終わるのではなく、学術的な新発見として残るような成果、そして将来的に社会へ広く貢献していけるような価値ある研究を追求し続けていきたいと考えています。

博士課程進学を考えている人へのメッセージをください。Please share a message for those considering pursuing a doctoral program.

26-23-03

博士課程への進学を検討する際、研究テーマの魅力や金銭的支援、将来のキャリアなど、重視したいポイントは人それぞれあると思います。その中でも私が特に大切だと感じているのは、「指導教員や研究室の雰囲気との相性」です。

博士課程の数年間は、日々多くの時間を研究室で過ごし、一つのテーマと深く向き合い続けます。時には研究が行き詰まったり進路に悩んだりする時期も訪れます。そうした困難に直面したとき、指導教員に素直に相談できる関係性があるか、周りのメンバーと互いに高め合いながら研究に取り組めるかという「人間関係や環境」は、想像以上に大きな支えとなります。

また、研究の進め方や指導方針、求められる自主性の度合いは研究室ごとに全く異なります。進学先を考える際は、研究内容や条件面だけに惑わされず、「その場所で数年間、自分らしく活き活きと研究を続けている姿」が描けるかどうかを、ぜひ大切にしてみてください。