Granite採択学生インタビュー

Materials Science

Granite 物質創成科学領域

光反応分子科学研究室隠岐 嘉将さん

あなたの研究テーマについて教えてください。What is your research theme?

私は現在、エンジオン類(二重結合と二つのカルボニル基を持つ化合物群)に対して、2つの官能基を触媒によって連続で導入する新たな化学反応の開発に取り組んでいます。

私の研究グループでは、入手しやすい化合物である1,4-ナフトキノン(NQ)の2位にフェニル基、3位にヒドロキシメチル基を連続で導入する反応を見出しました。現在はこの成果をさらに発展させ、ベンゾキノン類をはじめとするNQ以外の様々なエンジオン類に対しても、同様に2つの官能基を効率よく導入できる反応プロセスの構築に挑んでいます。

この研究の最大の意義は、「分子設計の独創性」と「反応開発の革新性」にあります。既存の分子をマイナーチェンジするのではなく、独自のメカニズムを持つ分子を設計することで、狙い通りの機能を持つ新しい分子を生み出すことができます。また、これまでにない合成反応を開発することは、有機化学分野にとどまらず多様な研究領域へ波及効果をもたらし、化学全体の発展に大きく貢献できると感じています。

なぜ博士課程へ進学しましたか?Why did you decide to pursue a doctoral program?

私が博士課程への進学を決めた一番の理由は、高校時代から抱いていた「関西の大学で学生生活を送りたい」という念願が修士課程で叶い、どうせならその環境で「行けるところまでとことん研究を突き詰めたい」と考えたからです。

また、博士後期課程という厳しい環境で最先端の研究に挑み続けることで、課題に対して自ら問いを立て、泥臭く解決まで導く「自分で何とかする力(自走力)」が徹底的に鍛えられると確信していました。この不確定な時代において、研究を通じて身につく自走力や粘り強さは、卒業後のどんな人生やキャリアにおいても必ず大きな糧になると感じたことも、進学を後押しした大きな理由です。

Graniteの支援で役立っている・助かっていることを教えてください。Please share what has been helpful or beneficial through the support provided by Granite.

いただいた支援金は、日々の食費や光熱費、家賃といった生活費全般に大切に活用させていただいています。暮らしの基盤がしっかりと安定することで、精神的にも大きなゆとりが生まれ、日々の研究に集中することができています。

また、今後は研究成果の発表や情報収集のため、学会参加に伴う遠征費や宿泊費などの支出も増えていく見込みです。そうした研究活動の「広がり」にも柔軟に対応できるようになるため、このサポートには本当に助けられています。

将来の目標、もしくはあなたが胸に秘めた野望があればぜひ教えてください。Please share your future goals or any ambitions you hold close to your heart.

将来の目標は、大好きな関西の地で一般企業の研究職に就くことです。

博士課程での研究生活を通じて培う専門性や「自分で何とかする力」を存分に活かし、アカデミアにとどまらず、企業という現場から社会や人々の役に立ちたいです。

博士課程進学を考えている人へのメッセージをください。Please share a message for those considering pursuing a doctoral program.

博士課程を進むうえで大切にしてほしいのは、手取り足取り教えてもらえる環境ばかりではない中で、自立して研究を進めることが求められた時でも、諦めずに周囲の先生方や外部のサポート機関、利用できるリソースをフル活用して自力で課題を解決していく「タフな適応力」です。

そしてもう一つは、就職して社会人となった同世代や、優秀な周囲の学生と自分を比べて焦ったり落ち込んだりしそうな時でも、「自分は自分のペースで進む」と割り切れる「強いメンタル」です。

人と比べて焦る必要は全くありません。周囲の環境や声に惑わされず、自分を見失わずにマイペースに突き進んでいってください。